Game Review

サンズvsシクサーズ 相手の強みを避けて弱みを狙え!

オゼリア

今回はサンズvsシクサーズのゲームレビューを行なっていく。
サンズのPnRへのシクサーズのディフェンス、
そのディフェンスに対してのサンズのカウンターに注目して鍵となった場面を解説していく。

CONTENTS

1Q

5:10 PHO
ブッカーのズームアクション。
スクリーン1枚では剥がせないのであれば、
2枚にして剥がしてやるという作戦である。
狙い通りサイブルを2枚のスクリーンで剥がすことに成功。
さらにエイトンがエンビードをクリアアウトすることでドロップの無効化も完了。
しかしサイブルがブッカーの後ろからブロックして全てを上回った。
改めてとんでもないディフェンダーだと感じさせられる。

4:45 PHO
ポールのダブルスクリーン。
ここでもスクリーン2枚にすることでチェイスを剥がそうとするPHO。
しかしこれでもハリスの長さが気になり自由になれない。

マキシーの激しさ、サイブルとハリスの長さに苦しみ、PnRがうまくいかないPHO。
PHIのこの強力なディフェンダーたちをどう乗り越えていくのかがこの試合の1つの争点になるのは間違いない。

1Q終盤は交代してきたコルクマズやニアンを狙って攻めることで得点効率を上げることに成功したPHO。
セカンドユニットの時間帯で点差を作り、スターターの時間帯でその点差を維持できればという感じか。
マキシー、サイブル、ハリスが揃う時間帯にどうオフェンスを調整していくのか見ていきたい。

2Q

2Qはポールがコートに戻ってきた。
ポールのマークはグリーンが担当。
グリーンの素晴らしいディフェンスでポールのPnRをしっかり守りきる。
そこからニアンのトランジションスリーが決まり、PHOタイムアウト。
まだPnRにそこまでの工夫は見られない。

7:30 PHO
ペイトン/マギーのPnR。
チェイスするコルクマズをペイトンが背負ったまま、フローターを成功。
コルクマズにマークされるペイトンをハンドラーにするという答えを出してきた。
PHIのディフェンスで狙えるポイントがあるこの時間帯はこれで十分だろう。
あとはピストルアクションを絡めてポールvsコルクマズのマッチアップを作るのも効果的と思われる。

6:40 PHO
マキシーがコートに戻ってきた。
ポールのダブルスクリーン。
フローター失敗。エイトンがなんとかプットバック。
スクリーン1枚目をグリーンにマークされるジョンソンにしてのダブルスクリーン。
これでは1枚目で迷わずスイッチされ、マキシー→グリーンとポールにとってタフなディフェンダーからプレッシャーを受け続けることになる。
まだPHOはハンドラーに余裕を持たせるための工夫を十分にできていない印象。

2Q後半、両チームともほぼスターターのラインナップに戻る。
PHOは2-3ゾーンディフェンスを仕掛け、
そこからトランジションで得点を重ねる。
ブッカーの個人技などもあり、
PnRの課題を解決するとは別の方法で点差を詰めていく。

結局PHOはPnRの課題を解決できないまま前半を終えた。
2Q終盤に1枚目でスイッチさせてカリーを狙うダブルスクリーンや、
エンビードに深くドロップさせるためのスペインピックなど、
若干の工夫は見られたが、明確な答えはまだ見つかっていない。
ハーフタイムでどんな修正がなされるのだろうか。

3Q

11:15、10:50 PHO
ブッカーとポールがハンドラーとして1回ずつPnRを実行。
ただ、前半同様特にこれといった工夫は見られない。
サイブルのディフェンスにブッカーとポールがひたすら挑む状況になっている。

9:05 PHO
ポールのダブルスクリーンからスペインピック。
2Q終盤に兆しが見えかけたダブルスクリーンとスペインピックのコンボでチャンスが生まれそうだったが、
PHIディフェンスが見事なスイッチで対応。
その後、ブッカーvsカリーの1対1もカリーが守りきった。
おそらくハーフタイム中にこれらの対応について確認していたのだろう。
PHI側がかなりPnRの駆け引きで上回っている。

直後の速攻でエンビードがレイアップを成功。
気づけばPHIが14点差をつけている。
PHOは早急なPnRの改善が求められる。

7:45 PHO
トップでポール/エイトンのPnR。
一旦ウイングのブッカーにパスを出し、
そっちでPnRを行う素振りを見せておいてポールにリターン。
このリターンパスに合わせてエイトンがスクリーンセット。
PHIに準備する余裕を与えないでPnRを始める工夫を見せてきた。
ポールのワイドオープンなプルアップジャンパーを演出できたがショットは失敗。
タフなディフェンスを相手にし続けてきたためか、
ポールはショットのリズムを失っているようにも見える。

6:15 PHO
ブッカーのダブルスクリーン。
1枚目スクリーナーはニアンにマークされるクラウダー。
1枚目でのスイッチで出てきたニアンと接触し、あっさりとファール獲得。
カリーやコルクマズ、ニアンを絡めたダブルスクリーンで有利なマッチアップを作りつつPnRを行うのがベストな答えに見える。

5:45 PHO
ピストルアクションからポール/エイトンのPnR。
ポールのドライブからフローター成功。
これもポールvsニアンのマッチアップを作りつつPnRを行うプレー。
PHOはようやく1つの答えを導き出した模様。

PHOがリズムを掴み始めた一方でPHIはエンビードのアイソレーションがうまくいかずオフェンスが停滞。
じわじわと点差が縮まってきている試合展開となっている。
PHOはその後もひたすらニアンを狙い、4点差まで詰めたところでPHIタイムアウト。

タイムアウト明けもひたすらニアンを狙い得点を重ねるPHO。
PHIはセカンドユニット時のオフェンスがかなり苦しいため、
なかなか厳しい展開になっている。

このまま3Q終了。
一時は14点差をつけられたものの、この時点で1点差まで詰めたPHO。
今度はPHIディフェンスがPHOのPnRを対策してくるかが鍵になる。
それができれば流れは再びPHIに傾くかもしれない。
できなければPHOが一気に流れを掴むかもしれない。
そんな雰囲気で4Qへと突入していく。

4Q

予想通りニアンを狙って得点を重ね続けるPHO。
PHIはハリス中心のオフェンスで食らいつこうとするも厳しい。
PHOが逆転して4点差をつけたところでPHIタイムアウト。
ニアンをコートに出し続ける限り苦しい感じはするが、、、

6:54 同点で両チームともスターターのラインナップに戻る。
ニアンもなんとか頑張った。

ニアンという明確なターゲットを失ったPHO。
オフェンスが停滞して重たい空気に包まれる。

4:58 PHO
トップでポール/エイトンのPnR。
3Qにもあった、一旦ウイングにパス出しておいてリターンパスに合わせてPnRを開始するプレーを選択。
しかしPHIはこのプレーをしっかり警戒。
そこまで大きなズレは生まれずポールのプルアップジャンパー失敗。
ニアンはベンチに下がったが、
カリーはコートにいるため、同じようにカリーを狙っていけばいいのではと思うのだがどうだろう。

4:28 PHO
ブッカーvsカリーのマッチアップを作った上での
ブッカー/エイトンのPnR。
カリーも精一杯のディフェンスを見せるもブッカーが上回りフリースロー獲得。
予想通りカリーを狙ってきた。
PHOはこれで十分。

2:10 PHO
ポール/エイトンのPnR。
マキシーのしつこいチェイスをスネークで振り切ったポールのフェイダウェイが決まる。
このクラッチタイムは、スターが相手関係なく仕事をする時間と言える。

このまま僅かな点差を守りきったPHOが逃げ切って試合終了。
前半はなかなか厳しかったPHOオフェンスだったが、
後半にPHIのディフェンスの弱点を徹底的に狙って流れを引き寄せたことが勝利につながった。
PHIはエンビードのアイソレーションをもっと効果的に実行できれば、
3ポイントの調子がもう少し良ければ、
PHOがリズムに乗るまでに試合を決定づけられた試合内容であったため、
悔しい敗戦だった。

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